妄想メモ、というか、以前アップしていた恋人平和のお話(8年前に書いたもの!ひー!)
文が稚拙すぎて再開後のサイトではアップしていなかったのですが、漫画でリメイクしたいと思ってる。
ココがスキ
ブルッブルッブルッ……
無機質な音が部屋に響いた。
シャツに伸ばしかけとった手を方向転換して、その音の源を取り上げる。
メール受信 1件。
……誰やろ?
手早く受信ボックスを開ける。
そこに表示された送信元を見て、眉がピクリとした。
おはよう、平次。
今日のことなんやけど・・・ごめん。
行かれへんようになってしもた。
また今度、一緒行こう?ホンマにごめんな。
ハァ?
行かれへんやと?
何でや?具合でも悪いんか?
そこまで打ってやめた。めんどい。
画面を切り替えて、指が勝手に憶えている番号を素早く押す。
3コール目で相手が出た。
“……もしもし”
声は普通やな。
具合が悪いわけやなさそうや。
「オレや。どないしてん?急用でも出来たんか?」
“え…と、ちょお具合がよくなくて……”
「ふぅん……大丈夫か?熱でもあるんか?」
“あ、ううん…大丈夫やで……”
こいつはホンマにウソが下手やな。顔見んでもウソついとるんがバレバレや。
そんな気持ちは押し隠して、オレは何にも気ぃついてへん振りをする。
「そか。あんま無理すんなよ。ほな映画はまた今度な」
“う、うん。ホンマ、ごめん……またな”
電話を切ると、ふぅっと息を吐き出した。
――どういうことや?
オレは日常茶飯事やけど、和葉がドタキャンなんて。しかも、ウソをついてまで。
何か怒らすようなことしたか?
いや、でもそれやったら直接文句言うてくるはずやんなぁ。
ぐるぐると考えを廻らすが、答えは見つからんかった。
和葉が相手やと、得意の推理も全く通用せえへん。
「……犯人に直接問い詰めるしかないなぁ」
身支度を整えると、オレは部屋をあとにした。
* * * * *
ピンポーン。
呼び鈴に引き寄せられて、玄関から和葉のオカンが顔を出した。
「あら、平次君。いらっしゃい」
和葉そっくりの笑顔でオレを迎えるオバチャンに、軽くお辞儀をしてみせる。
「和葉、おる?」
「うん、部屋に。呼んでこよか?」
今にも二階に向って声を出しそうなオバチャンを慌てて制する。
「あ、ええねん!オレが行くから!」
そう?と首を傾げるオバチャン。
靴を脱ぎかけたオレは、一応確認しておくことにした。
「なぁ。和葉、具合悪い…なんてことあらへんよな……?」
一瞬キョトンとしてから首を左右に振ったオバチャンを見て、やはりウソだったと確信する。
不思議そうな顔のオバチャンに愛想笑いをしてから、足音を立てずに階段を上る。
コンコン。
ホンマはいきなりドアを開けたかったけど。
そのあとの和葉が恐ろしくてとりあえずノックをした。近づいてくる気配がする。
「なぁに、お母ちゃん―――」
ドアを開けた和葉は、目の前にいるんが自分のオカンやないことに気づいて固まった。
でもそれは一瞬のことやった。
「よぉ、かず……」
オレの挨拶も言い終わらんうちに、バタン!と閉められたドア。
なっ……!?
あまりの仕打ちに声も出えへん。
唖然としとるオレの耳に、ドアの向こうから焦ったような和葉の声が届く。
「な、何でおるん!?きょ、今日は無理やって言うたやん!」
「……あぁ、聞いたで。具合悪いんやてな。せやから見舞いに来たんやで?ドア開けろや」
和葉のウソに乗っかってやる。
ドアの向こうは沈黙や。
「おい……和葉」
「あ、アカン。風邪うつってまうから、今日はもう帰って!」
……こいつ。まだウソつくんか。
ちゅうか、何でそこまでしてオレに会いたないねん。
だんだん腹立ってきた。「開けろって!」
力任せにドアノブを回して押す。
「あ、アカンて!!」
必死の和葉の声。
あの細っこい体のどこにこんな力があるのか。それともオレに会いたない執念が成せるワザなのか。
オレの本気の力にもドアはびくともせえへん。
……くっそぉ……
なんやめちゃくちゃ悔しい。このまま帰るなんて絶対出来へん。
ドアノブから手を離して。
オレは和葉にも聞こえるように溜め息をついた。「……分かった」
「お前、そんなにオレに会いたないんやな。せやのに、無理やり開けようとして……悪かったな」
押してダメなら引いてみろ、や。
「今日やって、ホンマはオレと映画行きたなかったんやろ。具合悪い、なんてウソまでつかせて、
ホンマすまん。鈍くて」
「え……」
戸惑ったような声。
あとひと押し……いやひと引き、やな。
「もう誘ったりせえへんから。……ほなな」
そう言って、オレが離れていくフリをしようとした瞬間。
「ま、待って!!」
思わず、ニヤリと笑う。
ほんの少し開いたドアの隙間を、オレは見逃さへんかった。
あっという間に部屋に押し入る。
オレの落ち込みが演技だったことにやっと気づいた和葉は、突然のオレの侵入に慌てて布団の中に隠れた。
……今度は布団の中に立て篭もるんかい。
布団の中からくぐもった声がオレを責めてくる。「ひどい!騙すなん、サイテーや!平次のアホ!!」
「ほぉ~?具合悪いなんてバッレバレのウソついとった女にそんなん言う権利あるんかい」
「ぅっ……」
「そんなトコ隠れとったってしゃあないやろ。オレを騙そうとしたわけをさっさと白状せぇや」
「……別に騙したかったんとちゃうもん」
「ほな何やねん。オレのことが嫌になったんか」
「ちゃう!!」
間髪入れずに返ってきた否定に、密かにほっと息をついた。 ゆっくりと和葉がくるまっとる布団に近づく。そっと手をかけると、和葉の小さな悲鳴を無視して一気に布団を剥いだ。
すぐさま逃げようとする和葉の肩をそのままベッドに押さえつける。
「い、いややぁ!見んといて!!」
はぁ?
必死に顔らへんを手で隠そうとしとる和葉。
「お願いやからぁ……っ」
……そんなん言われたら余計見たくなるやんか。
いつもやったらきいたる和葉の「お願い」も、今は逆効果。
オレは和葉の手を掴んで顔から離させ、上から見下ろした。 じぃっと観察してみるが、特に変わったトコはあらへん。
しいて言うなら、願いをきいてもらえずに怒っとるっちゅう顔や。
あいかわらずのデッカイ瞳ぇにはうっすら涙が浮かんどるし、
白いはずのほっぺたは真っ赤に染まっとって、唇は不貞腐れたようにとんがってる。
……そそるなぁ。
ふいに浮かんだ正直な感想を、慌てて取り消した。
アカンて。
コイツのオカンが下におるっちゅうねん。
「わ、笑いたかったら笑えばええやん……」
和葉から零れてきた言葉に、オレは邪な方向にいきかけた思考を急いで呼び戻した。
笑う?
コイツ何言うとんのやろ……
「変やろ?やから平次に会いたなかったのに……」
変?
何がや?
オレの疑問符だらけの顔にようやく気づいた和葉は、息を呑みこんだ。
そして再び暴れ出した。
「ひ、ひどい!気づきもせえへんなんて!!」
「おい……ちょお待てって。一体何の話や?」
和葉はさっきよりも怒った顔をして、オレから顔を背けた。
……拗ねとる。
「なぁ、和葉ぁ……」
げっ。
めちゃくちゃ情けない声が出てもうた。びっくりしたように、和葉の顔が戻ってくる。
そしてポツリと呟いた。
「……前髪、短すぎておかしいやろ」
恥ずかしそうに目を伏せる。
そこでオレはようやく事情を呑み込んだ。
「今朝……急に前髪が伸びてんの気になって……自分で切ったら……」
失敗してもうた、と眉を下げて溜め息をつく和葉。
「……平次には、見られたなかってん。どうせ明後日には学校で会わなアカンて分かっててんけど」
あきれた。
ホンマ、この女は……
ガクリと力が抜けて和葉の上に傾れこむ。
「ちょ、ちょお平次っ!重いやん!」
「うっさい。あまりのしょぉもなさに力が入らへんねん」
「なっ!しょうもないって何やの!まぁ平次はな、アタシが前髪切ったんも気ぃつかんくらいやもんな!」
そう言うて、涙を溜めとる。
改めて見ると、確かに和葉の前髪は短くなっとった。形のいい眉がすっかり見えとる。
「……中坊みたいやな」
オレの感想に、またもや暴れ出した和葉の背中とベッドの間に手を差し入れて、ぎゅうっと抱き締めた。
アホ、とかボケ、とか言いながら、尚もオレの腕から逃れようとジタバタしとる。
「平次は、アタシのことなんか見てへんっちゅうんが今日はよぉ~く分かったわ!」
思いっきり頬をふくらませて、和葉はオレを睨んだ。
「……しゃあないやろ。そらさすがにボウズとかになっとったらオレもすぐ気ぃつくやろけど」
オレの弁解に、和葉はますます眉を吊り上げる。
「別にオレは和葉の前髪に惚れとるわけとちゃうからなぁ」
まず目がいくんはシッポとかデッカイ瞳とか。
そういうトコやし。
もっと下で言うならうなじとかチチとか足とか……
またもや邪な方向へ走りかけたオレの目に、真っ赤になった和葉の顔が映った。
困ったような嬉しそうな、よう分からん表情や。
「……ほな、どこに惚れとるん?」
その和葉の言葉でオレはようやく、自分がかなり“らしくない”セリフを吐いたことに気ぃついた。
カァッと頬が熱くなるんが分かる。
……色黒やから和葉にはバレへんやろけど。
黙りこくるオレを、至近距離にいる和葉が覗き込む。
「なぁ。どこ?」
期待に満ちた瞳。
……そんなん、言えるわけないやろ。
なぁ、と更にオレに擦り寄ってきた和葉の唇を自分のそれで塞いだ。
数秒後、ゆっくり体を起こして呆気にとられとる和葉を見下ろす。
「今からキスするトコ全部やで」
「・・・・・ッ!!」
デコ。
まぶた。
鼻。
ほっぺた。
耳たぶ。
次々と口づけながら。
―――いっちばん惚れとる部分にはキスは出来へんな。
和葉に溺れゆく頭の片隅で、オレは考えとった。
前髪を切りすぎた無様な姿を好きな人には見られたくないっていう和葉ちゃんも(和葉ちゃんなら短い前髪も可愛いと思いますが♪)、ドタキャンの理由の嘘を確かめに行く平次も、なんだか可愛くてとてもほっこりしました♡
恋人同士になった途端にキス魔になる平次が大好きです(笑)
最後に和葉ちゃんの顔にチュッチュッするところも平次らしくて大好きです♡
Lilyさん、こちらにもコメントありがとうございます❤
順調だと思っていたのにドタキャンに少し慌つつも、探偵と幼馴染の勘でウソだと見抜いた平次くん、和葉ちゃんのかわいらしい理由に呆れつつもメロメロです(笑)
付き合いだしたら平次くんにはグイグイいって欲しいですね!
こちらも漫画化したいなーと思っていますので、また読んでいただけるとうれしいです!
コメントありがとうございました!
いや〜!きゅんきゅんですね^ ^💕
平ちゃん、ちゃんと、唇まで行っておこうよ!
とつっこんでしまいました!
yo-koさん、コメントありがとうございます!
付き合いだした平和の妄想は、きゅんきゅんであふれますね💕
もちろん、唇にも行きますよ!(笑)
いつか漫画にできたら、ぜひ見てください!
コメントありがとうございました!